老齢基礎年金を受給するために必要な期間は、次の期間を合計して原則10年以上必要です。
・国民年金の保険料を納めた期間
・昭和36年4月以降の厚生年金保険の被保険者期間または共済組合の組合員期間
・第3号被保険者であった期間
・保険料の免除を受けた期間
・任意加入できる人が加入しなかった期間や学生納付特例期間で追納しなかった期間など(合算対象期間)
老齢基礎年金の額(令和5年度)
20歳から60歳までの40年間の保険料を納めた場合(満額)
繰上げ請求
60歳から64歳までの間に繰り上げて老齢基礎年金を受け取る制度です。
ただし、繰上げ請求をした場合、年金額が減額されます。繰上げ請求した月の年齢に応じて受給率が決定され、生涯この率(受給率の項目参照)で支給される他、次のようなことにご注意ください。
注意事項
・一度繰上げ請求をした場合、取消や変更はできません。
・請求する月以前の分をさかのぼって受け取ることはできません。
・寡婦年金が受けられなくなります。
・繰上げ請求をした後障害になったり、障害の程度が重くなっても障害基礎年金は受けられません。
・遺族年金を受けている人は、繰上げ請求したときから、65歳に到達する月まで遺族年金の支給が停止されます。
・国民年金に任意加入できなくなります。
・保険料免除期間の追納や、後納制度が利用できなくなります。
・第2号被保険者になったとき、老齢基礎年金は支給停止となります。
減額率
老齢基礎年金を繰り下げて受給すると、減額率に応じて生涯減額されますのでご注意ください。繰上げ減額早見表
請求時の年齢 | 0カ月 | 1カ月 | 2カ月 | 3カ月 | 4カ月 | 5カ月 | 6カ月 | 7カ月 | 8カ月 | 9カ月 | 10カ月 | 11カ月 |
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60歳 | 30.0
| 29.5 | 29.0 | 28.5 | 28.0 | 27.5 | 27.0 | 26.5 | 26.0 | 25.5 | 25.0 | 24.5 |
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61歳 | 24.0 | 23.5 | 23.0 | 22.5 | 22.0 | 21.5 | 21.0 | 20.5 | 20.0 | 19.5 | 19.0 | 18.5 |
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62歳 | 18.0 | 17.5 | 17.0 | 16.5 | 16.0 | 15.5 | 15.0 | 14.5 | 14.0 | 13.5 | 13.0 | 12.5 |
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63歳 | 12.0 | 11.5 | 11.0 | 10.5 | 10.0 | 9.5 | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 |
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64歳 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 | 3.0 | 2.5 | 2.0 | 1.5 | 1.0 | 0.5 |
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繰下げ請求
66歳以後75歳までに年金を受け取る時期を遅らせる制度です。
繰り下げることで、ひと月あたりの年金額を増やすことができる制度です。
75歳到達(誕生月の前日)月より後に請求を行った場合、時効で支払われない年金が発生しますので、必ず75歳到達月までに請求して下さい。
注意事項
・繰下げ請求をした支給開始の年齢(月単位)に応じて受給率が決まります。
・一度繰上げ請求をした場合、取消や変更はできません。
・繰下げ請求の手続きができるのは66歳の誕生日からです。それまでの期間は申出を待機する必要があります。
・繰下げ申出の待機ができるのは、75歳に達する月または障害年金や遺族年金の受給権が発生するまでの間です。
・繰下げ待機期間中に75歳到達する月を超えた場合は、申出の手続きが遅れても年金額は増えません。
・繰下げ待機期間中に障害年金や遺族年金の受給権が発生した場合は、その時点で受給率が固定されます。
・振替加算は繰下げ請求による増額の対象になりません。また、繰下げ待機期間中は振替加算を受け取れません。
・繰下げ待機期間中は繰下げ申出を行うか、65歳からの本来の老齢基礎年金をさかのぼって請求するか選択できます。
・繰下げ待機期間中の人が亡くなった場合は、未支給年金受給権者は65歳からの本来の老齢基礎年金をさかのぼって請求することになります。
受給率
繰下げ増額早見表(昭和16年4月2日以後に生まれた人※)
請求時の年齢 | 0カ月 | 2カ月 | 3カ月 | 4カ月 | 5カ月 | 6カ月 | 7カ月 | 8カ月 | 9カ月 | 10カ月 | 11カ月 |
---|
66歳 | 8.4 | 9.8 | 10.5 | 11.2 | 11.9 | 12.6 | 13.3 | 14.0 | 14.7 | 15.4 | 16.1 |
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67歳 | 16.8 | 18.2 | 18.9 | 19.6 | 20.3 | 21.0 | 21.7 | 22.4 | 23.1 | 23.8 | 24.5 |
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68歳 | 25.2
| 26.6 | 27.3 | 28.0 | 28.7 | 29.4 | 30.1 | 30.8 | 31.5 | 32.2 | 32.9 |
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69歳 | 33.6 | 35.0 | 35.7 | 36.4 | 37.1 | 37.8
| 38.5 | 39.2 | 39.9 | 40.6 | 41.3 |
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70歳 | 42.0 | 43.4 | 44.1 | 44.8 | 45.5 | 46.2 | 46.9 | 47.6 | 48.3 | 49.0 | 49.7 |
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71歳 | 50.4 | 51.8 | 52.5 | 53.2 | 53.9 | 54.6 | 55.3 | 56.0 | 56.7 | 57.4 | 58.1 |
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72歳 | 58.8 | 60.2 | 60.9 | 61.6 | 62.3 | 63.0 | 63.7 | 64.4 | 65.1 | 65.8 | 66.5 |
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73歳 | 67.2 | 68.6 | 69.3 | 70.0 | 70.7 | 71.4 | 72.1 | 72.8 | 73.5 | 74.2 | 74.9 |
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74歳 | 75.6 | 77.0 | 77.7 | 78.4 | 79.1 | 79.8 | 80.5 | 81.2 | 81.9 | 82.6 | 83.3 |
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75歳 | 84.0 | | | | | | | | | | |
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※昭和16年4月1日以前に生まれた人の増額率は66歳:12%、67歳:26%、68歳:43%、69歳:64%、70歳から:88%です。
※昭和27年4月1日以前に生まれた方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなりますので、増額率は最大で42%となります。