○宮若市職員の懲戒処分の基準要綱
平成18年10月27日
告示第291号
(趣旨)
第1条 この告示は、任命権者が地方公務員法(昭和25年法律第261号)第29条に規定する懲戒処分(以下「懲戒処分」という。)に付すべきものと判断した事案について、代表的な事例を選び、職員の懲戒処分を厳正かつ公正に行うため、標準的な処分量定に関する基準を定めるものとする。
(考慮事項)
第2条 任命権者は、懲戒処分の種類及び程度を決定するに当たり、次に掲げる事項を総合的に考慮し、別表に掲げる懲戒処分の対象となる非違行為及び当該非違行為に係る懲戒処分の標準的な事例(以下「標準例」という。)を参考にして、適正に判断するものとする。この場合において、標準例に記載のない非違行為については、標準例に掲げる事例のうち類似のものを参考に判断するものとする。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果
(2) 故意又は過失の度合い
(3) 非違行為を行った職員の職責及び職責と非違行為との関係
(4) 他の職員及び社会に与える影響
(5) 過去における非違行為の有無
(6) 日常の勤務態度及び非違行為後の対応
(所属長の責務)
第3条 所属長は、常に所属職員の行動の把握に努め、所属職員が非違行為を現に行い、又は行ったことが明らかであると判断した場合は、遅滞なくその旨を人事担当課長に報告するものとする。
(指揮監督する者の責任)
第4条 職員の懲戒処分を行った場合において、当該職員を指揮監督する者(以下「監督者」という。)が次のいずれかに該当するときは、当該監督者に対しても懲戒処分を行うものとする。
(1) 所属職員の非違行為を了知していたにも関わらず、その事実を隠ぺいし、又はこれを黙認した場合
(2) 所属職員が懲戒処分を受けることに関し、指揮監督に適正を欠いていた場合
(関係職員の懲戒処分)
第5条 職員の懲戒処分を行った場合において、当該職員以外の職員が次のいずれかに該当するときは、当該関係職員に対しても懲戒処分を行うものとする。
(1) 非違行為をした職員に対し、当該非違行為に係る事項を教唆し、又は当該非違行為を幇助したと認められる場合
(2) 職員の非違行為を了知していたにも関わらず、これを黙認し、又は当該職員と共に非違行為の全部又は一部を行った場合
(処分の公表)
第6条 任命権者は、地方公務員法の規定に基づく懲戒処分を行った場合は、原則として速やかにその内容(所属部署、職階、年齢、処分内容、処分年月日、処分理由)を公表するものとする。ただし、次の各号に該当する事案は、公表しないことができる。
(1) 被害者等が公表しないように求めた事案
(2) 公表により被害者が特定される可能性が大きい事案
2 職務と関連のある事案であって免職を行ったもの、収賄、横領等の社会的影響が大きい事案で、起訴等により氏名等が公にされている場合は、氏名等の個人情報についても公表する。
3 前項の規定により公表する場合、わいせつ事件等被害者のある事案においては、被害者等の感情を十分配慮した上で公表する。
附則
この告示は、平成18年12月1日から施行する。
附則(平成31年3月26日告示第65号)
この告示は、公布の日から施行する。
附則(令和5年6月21日告示第161号)
この告示は、公布の日から施行する。
別表(第2条関係)
非違行為の類型 | 類型の詳細 | 処分量定 |
一般服務関係 | ||
欠勤 | 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた場合 | 減給又は戒告 |
正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた場合 | 停職又は減給 | |
正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合 | 免職又は停職 | |
遅刻・早退 | 勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合 | 戒告 |
休暇の虚偽申請 | 病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合 | 減給又は戒告 |
勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合 | 減給又は戒告 |
職場内秩序びん乱 | 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合 | 停職又は減給 |
他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合 | 減給又は戒告 | |
虚偽報告 | 事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合 | 減給又は戒告 |
違法な職員団体活動 | 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、公務の正常な運営を阻害する怠業的行為をした場合 | 減給又は戒告 |
地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった場合 | 免職又は停職 | |
秘密漏えい | 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | 免職又は停職 |
上記の場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした場合 | 免職 | |
具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | 停職、減給又は戒告 | |
個人の秘密情報の目的外収集・使用 | 職権を濫用し、専らその職務の用以外に供する目的で個人の秘密に属する事項が記載された文書等の情報を収集した場合 | 減給又は戒告 |
上記より、知り得た情報の内容を他人に知らせ、又は不当な目的に使用した場合 | 免職、停職又は減給 | |
政治的目的を有する文書の配布 | 政治的目的を有する文書を配布した場合 | 戒告 |
兼業の承認等を得る手続のけ怠 | 営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った場合 | 減給又は戒告 |
入札談合等に関与する行為 | 市が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った場合 | 免職又は停職 |
公文書の不適正な取扱い | 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した場合 | 免職又は停職 |
決裁文書を改ざんした場合 | 免職又は停職 | |
公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | 停職、減給又は戒告 | |
セクシャル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動) | 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合 | 免職又は停職 |
相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙、電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合 | 停職又は減給 | |
わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合 | 免職又は停職 | |
相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合 | 減給又は戒告 | |
パワー・ハラスメント(職場において他の職員に対し、職務上の地位や人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる言動) | 職場において他の職員に対し、職務上の地位や人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる言動(以下「職務上の地位等を利用した嫌がらせ」という。)を繰り返したことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患を罹患した場合 | 免職又は停職 |
職務上の地位等を利用した嫌がらせを繰り返した場合 | 停職又は減給 | |
職務上の地位等を利用した嫌がらせを行った場合 | 減給又は戒告 | |
その他のハラスメント(職場において他の職員に対し、言葉、態度、身振り、文書等により人格や尊厳を傷つけ、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる言動) | 職場において他の職員に対し、言葉、態度、身振り、文書等により人格や尊厳を傷つけ、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる言動(以下「その他の嫌がらせ」という。)を繰り返したことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患を罹患した場合 | 免職又は停職 |
その他の嫌がらせを繰り返した場合 | 停職又は減給 | |
その他の嫌がらせを行った場合 | 減給又は戒告 | |
不適正な業務執行 | 事務処理に適正さを欠き、又は職務命令に従わず、公務の運営等に支障を与え、市民等に重大な損害を与えた場合 | 停職、減給又は戒告 |
収賄 | 賄賂を収受した場合 | 免職 |
公金公物関係 | ||
横領 | 公金又は公物を横領した場合 | 免職 |
窃取 | 公金又は公物を窃取した場合 | 免職 |
詐取 | 人を欺いて公金又は公物を交付させた場合 | 免職 |
紛失 | 公金又は公物を紛失した場合 | 戒告 |
盗難 | 重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った場合 | 戒告 |
公物損壊 | 故意に公物を損壊した場合 | 減給又は戒告 |
出火・爆発 | 過失により公物の出火、爆発を引き起こした場合 | 戒告 |
諸給与の違法支払・不適正受給 | 故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した者及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した場合 | 減給又は戒告 |
公金公物処理不適正 | 自己保管中の公金を流用等、公金又は公物の不適切な処理をした場合 | 減給又は戒告 |
コンピュータの不適正利用 | 職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合 | 減給又は戒告 |
公務外非行関係 | ||
放火 | 放火をした場合 | 免職 |
殺人 | 人を殺した場合 | 免職 |
傷害 | 人の身体を傷害した場合 | 停職又は減給 |
暴行・けんか | 暴行を加え、又はけんかをし、人を傷害するに至らなかった場合 | 減給又は戒告 |
器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した場合 | 減給又は戒告 |
横領 | 自己の占有する他人の物を横領した場合 | 免職又は停職 |
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した場合 | 減給又は戒告 | |
窃盗 | 他人の財物を窃取した場合 | 免職又は停職 |
強盗 | 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合 | 免職 |
詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合 | 免職又は停職 |
賭博 | 賭博をした場合 | 減給又は戒告 |
常習として賭博をした場合 | 停職 | |
麻薬等の所持等 | 麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした場合 | 免職 |
酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合 | 減給又は戒告 |
淫行 | 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行した場合 | 免職、停職 |
わいせつ行為 | わいせつ行為(不同意わいせつ、不同意性交等、痴漢、盗撮、のぞき等)をした場合 | 免職、停職又は減給 |
ストーカー行為 | つきまとい等又は位置情報無承諾取得等のストーカー行為をした場合 | 免職、停職又は減給 |
交通事故・交通法規違反関係 | ||
飲酒運転による交通事故で人身事故を伴うもの | 酒酔い運転をして人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合 | 免職 |
酒酔い運転をして人に傷害を負わせた場合 | 免職又は停職 | |
酒酔い運転をして人に傷害を負わせ、かつ、事故後の救護を怠る等の措置義務違反(以下「救護等の措置義務違反」という。)をした場合 | 免職 | |
酒気帯び運転をして人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合 | 免職又は停職 | |
酒気帯び運転をして人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせ、かつ、救護等の措置義務違反をした場合 | 免職 | |
酒気帯び運転をして人に傷害を負わせた場合 | 免職、停職又は減給 | |
酒気帯び運転をして人に傷害を負わせ、かつ、救護等の措置義務違反をした場合 | 免職又は停職 | |
飲酒運転以外による交通事故で人身事故を伴うもの | 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合 | 免職、停職又は減給 |
人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせ、かつ、救護等の措置義務違反をした場合 | 免職又は停職 | |
人に傷害を負わせた場合 | 減給又は戒告 | |
人に傷害を負わせ、かつ、救護等の措置義務違反をした場合 | 停職又は減給 | |
その他の交通法規違反 | 酒酔い運転をした場合 | 免職、停職又は減給 |
酒酔い運転し、かつ、物の損壊に係る交通事故を起こした場合において、その後の危険防止を怠る等の措置義務違反(以下「危険防止等の措置義務違反」という。)をした場合 | 免職又は停職 | |
酒気帯び運転、著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした場合 | 停職、減給又は戒告 | |
酒気帯び運転、著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をし、かつ、物の損壊に係る交通事故を起こした場合において、危険防止等の措置義務違反をした場合 | 停職又は減給 | |
飲酒運転容認 | 運転者が飲酒状態にあることを認識しつつ、当該運転者に運転を勧め、又は当該運転者が運転することを幇助した場合 | 停職、減給又は戒告 |
監督責任関係 | ||
指導監督不適正 | 部下職員が懲戒処分を受けた場合等で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた場合 | 減給又は戒告 |
非行の隠ぺい・黙認 | 部下職員の非違行為を知り得たにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した場合 | 停職又は減給 |